MASAのハピネス便り

寒い。冬だからそれはあたりまえのこと。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」というけれど、春分までまだ二ヶ月も残されている。地元の小学生がベンチコートを普段使いしていたことを思い出して羨ましくなる。

今が冬であるという理由だけで軽軽しく「寒い」と口にしがちだが、コンビニや飲食店、電車などは暖房が効きすぎているのでむしろ暑い。夏は夏でどこも冷房が効きすぎているので寒い。本邦において外国人の薄着がよく揶揄の対象となっているが、極端なエア・コンディショニングにこだわる我々が果たして彼らを笑うことができるのか。

ロケットの打ち上げとでも言わんばかりの、季節に真っ向から逆らう温度設定は「わかりやすさの追求」というこの時流を反映したものであると考えられる。暑いとか寒いといった皮膚に対する過剰な刺激が感じられない場合、エアコンは動作していないものと同様であると見なされてしまう。暖かいとか涼しいと形容できる快適な温度では満足できず、せっかく電力を使用してエアコンをつけているのに寒くも暑くもないだなんて電力の無駄遣いではないかとついつい感じてしまう。いわゆる「温圧戦争」と呼ばれるものはこのような感覚に起因する。

我々の感覚がここまできてしまった以上、この土地にはもはや暑いところと寒いところしか残されていない。人々は「調度良い」という概念を忘れてしまったのだ。中庸というものがプラスでない限りにおいてゼロではなくむしろマイナスであると勘定されてしまう昨今において春と秋だけが空調のオアシスと言えよう。冬来たりなば春遠からじ。

昔から「その人の温度設定を見れば楽器の上手い下手がわかる」というがたしかにその通りで、夏場に冷房の設定を18度にする者などは、楽器をやらせるとやたら音がでかくてそのうえ抜けが悪く、聴いていて耳が痛くなるだけの演奏をする者が多い。

忘年会や新年会など、冬に行われる飲み会で、一番楽しい気持ちになる瞬間は決まってお開きになってお店の外に出されたときだ。冬場特有の室内の淀んだ空気から解放されて、冷たい外気に触れるとアルコールで弛緩しきった頭が冴え出すし、外の空気は室内よりも酸素の濃度が濃いから脳が活性化し、かなり良い気分を得ることができる。そこで解散ということになれば気分の高揚のやり場に困ってしまうから、二軒目行きましょう!ということになるのだが、改めて店に入るとやはり落ち着いてしまい、ぼーっとしがちである。そして、それでも尚快楽を求めんとする心からなんとか用を作って外に出たくなってしまう。居酒屋を抜けだして一人でコンビニに向かうときの高揚感もまた冬場の飲み会の醍醐味のひとつである。バラエティ番組の影響下にない飲み会が増えることを願うばかり。会ったときに時事ネタについて話さないで済む間柄がいかに貴重なのか最近わかってきた。

某日、シネ・リーブル池袋で「ストレイト・アウタ・コンプトン」鑑賞。イージー・E役の俳優がダウンタウンの浜ちゃんに似ていて、意識のどこかで「これは浜ちゃんにまつわる話である」と思って観てしまい、なぜか浜ちゃんへの愛が心の深いところで芽生えるという現象が起こる。しかし、浜ちゃんと「ストレイト・アウタ・コンプトン」は関係がないのだから、こんなことを言っていても何の意味もないのだが、少なくともこれはジェイソン・ミッチェルが演じたイージー・Eの人好きする人物造形があったからこそ抱いてしまう感情であるとは言えよう。小柄で声が高く、いつも笑みを浮かべ、周りにからかわれたときにははにかんで見せ、ストリート仕込みの賢さもあるが義理堅く、そして良く泣く。我々が愛すべき人物。

イージー・E、ドクター・ドレー、アイス・キューブの登場シーンからグループ成功あたりまでは思わずyeah!と快哉を叫ばずにはいられない展開の連続。特にドレーの登場シーン。ファンクのレコードの山の上にドレーが寝そべって、ヘッドフォンでロイ・エアーズを聴いてうっとりしているところを天井から撮影したシーンにこちらまでうっとり。これはスコセッシ的なものに滅法弱いということの証明でもあるが…

実話ものだから仕方がないことかもしれないが、後半はサービスのためだけのシーンが多くやや冗長に感じられてしまった。また気合の入ったポール・ジアマッティに胃もたれも。

これは映画とは直接関係のないことだが、映画を観る限りN.W.A.もやはり金銭がらみでもめており、なんだかモヤモヤしたので、念のため音楽ビジネスの本を何冊かamazonで注文してみた。その辺のことについてあまりにも知識がなさすぎるし。また、早急に弁護士との知己も得ないければいけない気がしている。しかし、うーん、これがなかなかに、ベターコールソウル。

時事ネタ的にも日本にシュグナイト的な人物が存在することが可能かどうか考えざるを得ない。ついでに今ものすごく「謝らないハリウッド(スキャンダルから見たアメリカ芸能史)」というタイトルの新書を書いて一山当てたいと思っている。まあ、いかにもなタイトルというだけでヒットするようなものでもないだろう。何が一山当てたいだ。ぬるい。あまりにもぬるい言説。自分の無力さに腹が立つ。

ところで、アイス・キューブの誕生日がいつだか知っていますか!1969年の6月15日。そしてなんと6月16日は2パックの誕生日!1971年生まれ。ちなみに私も6月16日が誕生日。さらにさらに6月17日はケンドリック・ラマーの誕生日!私と同じ1987年生まれ。驚愕のスリーデイズ。まさに双子座グラフィティ。

生きているとどうしても腐ってしまうことがあるが、同じ歳のケンドリック・ラマーが奮闘している限り、前向きな気持ちで物事に取り組まなくてはと思う。しかし…おい、オーシャン!2016年になっちまったぞ!ちなみにフランク・オーシャンも1987年生まれ。フランク・オーシャンがアルバム出してからでいいやという気持ちもなきにしもあらず。

そういえば去年買ったドレーのアルバムは全然聴いていない。

月曜日は新代田FEVERにてDucktailsとスカートと対バン。Ducktailsの軽くて芯のあるドラムが心地良かった。ドラムというのは自分が思っている以上に軽く叩いても良い楽器であるような気がした。ドラムなんて叩く機会はないのだが。来月は同じく新代田FEVERでトクマルさん、Hei Tanakaさんと対バン。

「トリプルファイヤー鳥居の選曲管理委員会」のお知らせ

この度、御茶ノ水のCafe 104.5にて「選曲家」としてイベントを開催するはこびとなりました。日取りは2月16日火曜日でございます。19時30分から二時間選曲いたします。

Cafe 104.5はブルーノートジャパンがプロデュースするカフェでございまして、美味しい料理とお酒が楽しめることは請け合い、不肖鳥居も舌と胃袋に響くような音楽をご用意してお待ち申し上げております。アドミッション・フリーいわゆる入場無料ですのでどうぞお気軽に。

お仕事帰りに、またはデートに。女子会、男子会、男女会、おひとりさま、おふたりさま、なんでもござれ、でございます。良い音響で音楽を聴きたいという方にもオススメです。最近良いスピーカーで音楽を聴いていますか?DJ中は案外手持ち無沙汰なので人間Shazamとしての対応も可です。

ついては皆様お誘い合わせのうえ、奮ってご参加いただけますように何卒よろしくお願い申し上げます。ぜひおこしくださいね。

以下、詳細ページです。
http://www.cafe1045.com/music/_2016_216_tue.php

次回のトリプルファイヤーライブは…

3776さんとMaison book girlさんと共演です。以下、詳細です。

2月11日(木・祝)下北沢SHELTER

SHELTER presents 3×40
開場 17:30 / 開演 18:30
前売 ¥2500 / 当日¥3000
出演 3776 / Maison book girl / トリプルファイヤー
チケット e+

ついては皆様お誘い合わせのうえ、奮ってご参加いただけますように何卒よろしくお願い申し上げます。ぜひおこしくださいね。

 

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