ゆく鳥居くる鳥居(2019年営業報告)

2016年から「ゆく鳥居くる鳥居」と題して1年の活動を振り返る記事を年末に公開している。面倒だから今年は書くのをやめようと思っていたところ、人から書いた?と尋ねられ、なんだか書かないといけない気がしてきたのでやはり書くことにした。

一年の活動をまとめるのはわりと疲れるので今年はやめておこうかと思ったけれど、もはや自分のことは自分で丁寧に扱う以外にどうすることもできないからやはり取り組んでいくことにする。自分のことは自分で可愛がっていくほかない。まさに「期待は失望の母である」の精神。念のために補足しておくと、これは大瀧詠一が残したナイアガラ語録で最も有名なものだが、どうせ失望するはめになるから何かに期待するなという意味ではなく、他人に期待して失望するぐらいなら自分でやれというメッセージが込められている言葉だ。

昨年はこんなことを書いていた。自分で自分を可愛がることもなかなか骨が折れる。「どうせ来客なんてないし・・・」と思っているから部屋がどれだけ汚かろうがあまり気にならないし、掃除もあまりしない。そうした態度を部屋のみならず自分に対しても取ってしまいつつある。CoD mobileなどのゲームで遊んでいると、口の悪い他のプレーヤーから「雑魚すぎ」「味方下手すぎて萎える」「よう戦犯」などと罵られることがよくある。昔はそういう言葉を聞く度に鳩尾がヒュンとなったものだが、最近は何を言われても気にならなくなってきた。なぜかと言えばゲームにおいて自分は能無しであると認識するようになったからだ。当然のことながら自分は能無しであると思っていれば心は死ぬ。否定的な自己認識が精神に良い作用をもたらすわけがない。幼い頃に怪我して痛がっていると祖母は決まってこう言った。曰く「痛いのは生きている証拠」だと。いくらそのゲームにおいて罵倒や暴言が日常茶飯事だといえども、「クソかよ」などと罵られて何も感じないのは心が死んでいる証拠ではないのか。

ものを作ることに携わる人にとって、いや、誰にとってもあるあるネタの一つだと思うのだが、ニヒリスティックで底意地が悪く、やることなすことケチばかりつけてくる仮想敵とでも言うべきもう1人の自分に、自分の取り組みを後頭部の斜め後ろあたりから常時監視されているような気がする。これは作ったものを世に放ったときの良からぬリアクションを先取りする防衛機制とも言えるかもしれない。鍛冶屋が鉄を何度も何度も叩くかのごとく、意地悪なもう1人の自分に自分が作成しているものを繰り返しチェックさせて強度を高めることもあるが、ものごとを否定的に捉えてばかりいるとやはり心は死ぬ。肯定なくしてものを作ることは不可能だ。

一人っ子の一人遊びの精神を取り戻すこと。それが来年の課題になりそうだ。言わばアブソリュート・エゴ・遊び。こういう記事を書くのも元々一人遊びの延長だったはず。たとえ誰からも見られていなかろうが自分のためにお洒落をする。そうした心意気を取り戻したいものです。

昨年までは時系列順で書いていたが、今年は分野別にまとめていきたい。情報はウィキペディアを参考にした。編集者の方々、今年もおつかれさまでした。

楽曲提供

「卒業式では泣かなかった」姫乃たま

『パノラマ街道まっしぐら』収録。姫乃たまさんがメジャー・デビューするタイミングで楽曲提供のオファーをいただいた。大変光栄なことだ。最初に取りあえず作ってみた曲があまりにも凡庸だったのでボツにし、一から作り直して完成した曲。作り直して良かったと思っている。ヨットロック調のアイドル歌謡のサウンドを目指した。音源やプラグインを新調して1人でトラック制作に取り組んだ。

サポート

江本祐介(スターロード祭り 5/26 阿佐ヶ谷Roji)

付き合いの古い江本くんのサポート。新間さん、浜くん、鮎子さんというメンバー。またやりたいですね。この日のライブは『Live at Roji』という盤にもなっています。

ぼく脳バンド(環太平洋シマダ選手権 10/22 高円寺HIGH)

シマダボーイのお誘いでぼく脳さんバンドに参加。KΣITOさん、優介くんというメンバー。ぼく脳さんはラップがお上手。

mei ehara(カクバリズムの冬祭り2019 12/8 恵比寿リキッドルーム)

付き合いの古いmeiちゃんのサポート。浜くん、Coffくん、沼澤くんというメンバー。このメンバーで現在アルバム制作中です。

選曲

レコード・スノア・デイはチームでの仕事というかもはや殿堂入りという感じなので、ここでは個人で行った仕事のみ扱いたい。レコード・スノア・デイについてはTwitterのアカウントをぜひチェック!@recordsnoreday

Roji in the P /HOUSE -1st Exhibition-(1/24 阿佐ヶ谷Roji)

花澤さんにお誘いいただいて37Aさんの展示会でDJ。Rojiに行くのは初めて。塩田正幸さんがMacBookでDJをされており、使用ソフトや機材を聞いて後日揃えました。

WWMM(2/2 恵比寿LIQUIDROOM)

ワクワクミツメ祭りでDJ。松永良平さんとお話しながら選曲。ミツメのメンバープラス優介くん、シマダボーイが参加した特別仕様のスカートでも一曲演奏。

Nu Deja Vu(2/16 表参道CAY)

P-Vineプレゼンツ「Nu Deja Vu」でDJ。思い出野郎Aチームのサモハンキンポーさんとお話しながらまかない飯を食した。またFNMNLの連載仲間、TAMTAMのアフィさんと初めてちゃんとお話した。

FACE RECORDS IN STORE DJ EVENT VOL.4(2/27)

渋谷にある大好きなレコード屋さんFACE RECORDSでセキトオ・シゲオ「THE WORD Ⅱ」の7インチ発売を記念したインストアイベントでDJ。7インチのB面には不肖鳥居のリミックスが収録されている。生活リズムが合わず最近全然お店に行けておらず悲しいです。

Music Voyage : ピーター・バラカン × 鳥居真道(3/6 神田淡路町cafe 104.5)

ピーター・バラカンさんとのピンポンDJもといB2Bのイベントも今年で4回目。お相手はバラカンさんなのでこちらがどんな球を投げようともひょいひょいと打ち返していただけるという安心感もありつつ、やはり緊張もする。ラリーには日頃の行いが反映されるので気を引き締めて音楽を聴かねばという気持ちが湧いて来ます。

RECORD SNORE DAY presents “PROJECT GEMINI”(5/31 新宿ROCK CAFE LOFT)

昨年に続いて小柳帝さんと「PROJECT GEMINI」再び。小柳さんの選曲にディグ道の奥深さを改めて痛感。ディグ道は一日してならず。背筋がぴんと伸びます。

ナナメ狛江(6/16)

誕生日にDJ。たまたまです。ナナメは変わったお酒を出してくれる素敵なお店。おいしいクラフトビールをごちそうになりました。塩田正幸さんを真似してPCでDJ。4時間ぐらいのロングセット。

Terminal Jive(7/8 渋谷頭バー)

WWMMでDJをしているときに駄洒落でMtumeをかけたところ、遊びにいらしていた小里誠さんが反応なさって、こちらのイベントにお誘いいただくことになったのでした。アウェーの現場だったけどかなり居心地の良い楽しいイベントでした。

的-teki- vol.3(9/16 下北沢Basement Bar)

Group2プレゼンツ「的」でDJ。急にレコード針のことが不安になり購入。間に合わなくてもいいやと思いつつ、台風の被害にあったサウンドハウスで注文したところいつものようにスムーズに発送されたの驚いた。そんなわけでマイ針でDJ。

ENSOKU vol.3 feat. Kathmandu Kitchen -Party in the curry house-(11/24 Kathmandu Kitchen)

ネパール料理屋でDJ。年下の出演者やお客さんたちがとても親切で涙がちょちょぎれんばかりでした。フリービリヤニ美味しかったです。

寄稿

Webで公開中の記事はこちらにまとめてあります。

2019年メディア寄稿まとめ

FNMNLに寄稿したプリンスの記事に始まり、Rolling Stoneでの連載など今年は書く仕事が多かったように感じます。

ヴルフペック『ヒル・クライマー』ライナー

今年もっともびっくりしたオファーがこちら。Rolling Stoneの連載でヴルフペックを取り上げた記事を担当の方が読んでお声がけいただいたとのこと。もちろんライナーを書くのは初めてだったが、良いものが書けた。

インタビュー・対談

『レコード・コレクターズ』2019年2月号「MUSIC GOES ON」

柴崎祐二さんがレココレで連載されているコーナーにお招きいただいてお話した。柴崎さんのおかげで自分のぼんやりとした音楽観の輪郭がハッキリしたように思う。柴崎さんは学生のときに所属していたサークルのOBでもあります。

あの曲、ぼくが作ったことになればいいのに 第42回

大橋裕之さんがミーティアで連載されているシリーズにお招きいただきました。ついに大橋先生のイラストに!大橋先生考案のオチが笑えます。

『ミュージックマガジン』2019年12月号 「入江陽のふたりのプレイリスト」

イベントでご一緒したこともある入江陽さんがミュージックマガジンで連載されているコーナーにお邪魔した。入江さんとお話するのは初めてだったけど、2時間弱音楽談義できて本当に楽しかった。入江さんとは「パノラマ街道まっしぐら」の楽曲提供仲間でもあります。

トークイベント

邦ロックから遠く離れて vol.6(1/23 新宿ROCK CAFE LOFT)

図らずも最終回になってしまった。台本代わりに作成したテキストを公開したところそれなりに反響があった。

トラップ・ビートのリズム構造解析

ファンクの庭 (4/6 新宿ROCK CAFE LOFT)

エレファンク庭さんのトークイベントにお邪魔してファンクの講義。用意したテキストはnoteで公開中です。

以上、2019年の営業報告です。おい!鳥居!これ忘れてるぞ!というものがありましたらご指摘いただけたらと存じます。

トリプルファイヤーのライブ開きは1月18日のWWMM。是非おこしください。

心せわしい年の暮れ、何かと御多用とは存じますが、何卒お気をつけて年末をお過ごしください。